北米報知 2012年4月18日、19号
コーヒーチェーンのスターバックス社が新しい取り組みを見せている。3月19日、ベルビュー市内に健康食品デリ「Evolution Fresh Store」の一号店を開店した。
フレッシュジュースやサンドイッチ、サラダなどがメニューに並び、ジュースは自分で選びミックスできる。鮮度や栄養分をそのまま保つため熱は一切加えず、独自の高圧法を用いている。
同店は去年の11月、34億ドルのフレッシュジュース市場規模を誇る「Evolution Fresh, Inc.」を買収したばかりの試みとなる。
ベジタリアンメニューも豊富に用意され、現在スターバックスが推進する「健康志向イメージ」に合わせたものだ。
フードメニューはすべて500カロリー以下で、ブドウ糖果糖液糖や人工調味料、色素、トランス脂肪などといった調味料は使用しない。ウェブサイトでも「250カロリー以下のドリンク」や「脂肪分10グラム以下の食事」などと分類してメニューを公開している。
スターバックスではアルコール類を含めた別の試みも見せている。コーヒー売上のピークを過ぎた午後や夕方に、ビールやワインの販売をシアトルとポートランドの一部店舗で開始している。
スターバックスによると、アルコールを飲む客も飲まない客も、時間が共有できるようにすることが目的という。
2010年から始まり、シアトル市内キャピトルヒルの店舗では、コーヒーカウンターの他に、バーカウンターや喫煙ルームを設置している。
今年末までに他州の一部店舗でも販売開始を予定しているが、一部報道では「バーの雰囲気になってうるさくなったら、もう子どもを連れて行きたくない」といった懸念の声もあがる。
他にもカナダと米国の店舗ではスターバックスカードを発行。プリペイドカード機能に加え、一定利用を経て、コーヒー2杯以降無料、15杯で1杯無料といった特典を設け、さらなる客の囲い込みを図っている。
(記事・写真 = 佐藤 睦子)
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