米マイクロソフトの1~3月期の決算は、市場関係者に安堵感を与えたようだ。ウィンドウズ部門の売上高が46億2000万ドルとなり、1年前から4%伸びたからだ。
「最悪のシナリオ」を払拭
米アップルの「アイパッド(iPad)」などタブレット端末が普及し、タイの洪水被害の影響で消費者向けパソコン市場が伸び悩む中、過去数四半期におけるウィンドウズの事業はいずれも期待外れだった。
さらにマイクロソフトは基本ソフト(OS)の新版「ウィンドウズ8」を年内にもリリースする予定で、今はその移行期だ。
先頃、市場調査会社の米ガートナーがまとめた1~3月期における世界パソコン出荷台数の前年同期比伸び率は1.9%と低調だった。
こうした様々な要因から当然マイクロソフトの業績も悪化するだろうと投資家は「最悪のシナリオ」を想像していた。そこに意外な発表があったというわけだ。その理由は好調な法人向け製品にあったようだ。
サーバー、ビジネス部門も好調
例えば、米証券取引所に提出された詳細資料によると、同四半期の消費者向けパソコンの販売台数は前年同期と同じ、つまり伸び率はゼロ。これに対し法人向けパソコンの伸び率は8%。ウィンドウズ事業はこうした堅調な法人市場に支えられて伸びたとマイクロソフトは報告している。
同社の主力事業にはこのほか、業務用ソフトのオフィス2010などを手がける「ビジネス部門」と、「サーバー・ツール部門」があり、いずれも法人市場の動きに大きく影響を受けるが、今回の売上高は、それぞれ前年同期比9%増の58億1000万ドル、同14%増の45億7000万ドルと好調だった。