米アマゾン・ドットコムは、同社の映像ネット配信サービスで品揃えの拡充を急いでいるようだ。同社は3月14日、「ディスカバリーチャンネル」などのケーブルテレビ専門チャンネルを持つ米国の大手メディア企業、ディスカバリー・コミュニケーションズとライセンス契約を結んだと発表した。
これによりアマゾンは昨年末に発売したタブレット端末「キンドル・ファイア(Kindle Fire)」との相乗効果を図るほか、固定客の拡大にもつなげたい考えだ。
会員向け映像作品を1万7000本に拡大
ディスカバリー・ コミュニケーションズとの提携で、アマゾンは映画やテレビ番組を配信するサービス「アマゾン・インスタント・ビデオ」で提供する作品数を12万本以上に増やす。
また同社が特に力を入れる有料プログラム「アマゾン・プライム」の会員向け映像配信サービス「プライム・インスタント・ビデオ」では合計1万7000本を用意する。
これらの映像作品は、パソコンのウェブブラウザーやキンドル・ファイアのほか、テレビ、セットトップボックス、ブルーレイプレーヤーなどの対応機器で視聴できる。
アマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は同日顧客に宛てたメッセージで、「今回の提携でプライム・インスタント・ビデオの作品数がほぼ3000本増え、これは過去最大規模のサービス拡充だ」と説明、利便性が一気に高まると自信を示した。
アマゾンはこれに先立ち、米バイアコム、米CBS、米フォックス、米NBCユニバーサルなどとも提携しており、取り扱い作品数を増やしている。
同社がアマゾン・プライム会員向けに映像配信サービスを開始したのは昨年の2月。当初、作品数は約5000本だったが、昨年末に1万3000本、先月には約1万5000本に達した。