「ソーシャル化する社会」。本来ならばとても違和感のある表現だ。

 しかし一方で、いまの社会の断片を示すのに適した表現でもあると思う。社会はいま、ソーシャル化しているのだ。

 「ソーシャル」というカタカナ語は、日本語に直訳すれば “社会的な”“社会の”という意味になる。それを前提とすると、「ソーシャル化する社会」は“社会的な社会”という不可思議な表現になる。

日本のネットユーザーの58%が利用

恋人も仕事も探せるフェイスブック、活用法いろいろ

フェイスブック上の「友達」のつながりを表した地図〔AFPBB News

 しかしどうだろう。

 「ソーシャル」というカタカナ語を見たり聞いたりした場合、その直訳的な意味ではなく、「ソーシャルネットワーキング(サービス)」の略称として捉えられることが、次第に増えてきている。

 もちろんそれが日本全体くまなく、とは言わない。実際、ソーシャルネットワーキングと聞いても、ピンとこない国民もまだ少なくないだろう。

 とはいえ、2011年の段階で日本のインターネットユーザーの58%程度がソーシャル・ネットワーキング・サービスの利用者であることを考えると(※下記参照)、相応の国民がソーシャルネットワーキングを利用していることになる。

 とすれば、ソーシャルネットワーキングという言葉を認知している人、もしくはそれを言葉として認知していなくとも利用はしている“認知し得る境界線にいる”人は、意外と多いのだと考えられる。

【参照】comScore Media Metrix:It’s a Social World: Top 10 Need-to-Knows About Social Networking and Where It’s Headed

 また、「ソーシャル」は「ソーシャルメディア」の略称として捉えられることもある。

 ソーシャルメディアは、インターネットを介して個人や組織が情報を発信し共有する1つのコミュニティで、2006年頃から頻繁に使われるようになった言葉であり概念だ。