経営の観点でITの活用を考える際、「どのような機能があるか」ということに目が行きがちではないだろうか。

 たとえそれをソフトウエアで全て実現させたとしても、基盤となるハードウエアは「ムーアの法則」に則り、すごい勢いで進化をしている。そうすると、IT導入時は不可能だったことが、ある日を境に突然できるようになっている、という「大どんでん返し」が発生する。

 今回は、進化するIT、特にハードウエアの進化に対して、ビジネスの現場はどう向き合うか、について考えてみたい。

「ミッション:インポッシブル4」に登場した驚くべきカメラ

 私の趣味の1つに映画鑑賞がある。中でも「近未来SF」や「迫力あるアクション映画」が大好きで、実は私が経営する「サイバーテック」の名称の由来も、元は映画「ターミネーター」に出てくる会社名「サイバーダイン」に、テクノロジーを表す「テック」を組み合わせたものから来ている。

 先日、前から楽しみにしていた「ミッション:インポッシブル4」を映画館で見たのだが、このシリーズで毎回楽しみにしていることがある。それは、スパイ映画特有の近未来的なデバイスが数多く登場することである。

 今回注目したデバイスは、コンタクトレンズと同じように目に装着して利用する、コンタクトレンズ型のカメラ。まばたきを2回するとシャッターが切られて、今まさに見ている物が撮影され、かつそれが別の部屋にあるプリンタにデータが転送され、印刷までされるというもの。ちなみにプリンタは特に変わったところもなく、普通のレーザープリンタのような感じ。

 これが映画の中で何に使われるかというと、数枚の紙に書かれている核ミサイルの発射コードを、現場で手に取るだけでコピーを入手するために使われるのだが、冷静に考えると、これはすごいデバイスではなかろうか。

 整理すると、以下のような機能を有していることになる。