北米報知 2012年1月18日号

 シアトル、エドモンズ、ベリンハム、マカティオ市で小売店などにおけるプラスチックバッグ(ビニール袋、レジ袋:JBpress注)の利用を禁止する法案が可決されている。ワシントン州議会でも州全体での禁止を目指した法案に関し、議論が進められている。

 シアトル市によると、州内でのプラスチックバッグの年間消費量は20億枚以上になり、同市でも約2億9200万枚が消費される。一方でリサイクルに回されているのは13パーセントに満たないという。

 資源の浪費という問題に加え、プラスチックのゴミは河川やピュージェット湾といった海に流れ汚染につながる。

 またクジラやカメなどの海洋生物や海鳥が体内に取り入れることで、窒息や消化器官の異常につながるほか、毒性の化学物質PCBが体内に蓄積され、生態系に悪影響が出ることが問題視されていた。

 シアトル市が可決した法案では、消費者は薬局、レストランのテイクアウトなどの際に再利用可能なバッグを持参、または有料の紙袋を利用する必要がある。食料雑貨店では、大きな買い物、肉、花などにはプラスチックバッグが利用可能となっている。

 エドモンズ市では施行から既に1年以上が経過しており、シアトル市とベリンハム市では今年の7月に施行される予定だ。

 ワシントン州議会は州全体でプラスチックバッグの利用を禁止する法案の審議を始めている。

 州全体で導入している州は全米になく、オレゴン州やカリフォルニア州でも類似した法案が審議されたが、プラスチック業界の反対などから可決されなかった。

 オレゴン州の環境保全グループ「Bag the Ban Oregon」は、プラスチックバッグの使用禁止のみに注視せず、効果的なリサイクルシステムの構築を図るべきと主張する。

 同団体は再利用可能なバッグも、有害物質やサルモネラ菌が付着することもあり、洗濯を含めた管理に気を使う必要があると続けている。

(兼崎 雄貴)

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