ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)世界最大手の米フェイスブックが新規株式公開(IPO)を申請した。
2月1日に米証券取引委員会(SEC)に提出した申請書類(FORM S-1)には、売り出し金額が最大50億ドルと記載されているが、これは手数料算定を目的とした暫定的な額。最終的にフェイスブックは100億ドルを調達したい考えのようだ。
時価総額は1000億ドルに
このIPOによって同社の時価総額は1000億ドルに上ると見られている。2004年に上場した米グーグルの調達額(19億ドル)と時価総額(230億ドル)を大きく上回り、IT企業の上場として過去最大規模になる見通しだ。
米国では昨年から、SNSのリンクトインやクーポン共同購入のグルーポン、ソーシャルゲームのジンガなどネット業界で大型IPOが相次ぎ、市場を沸かせた。しかしその後の評価はまちまちで、最近の各社の株価は下落傾向だ。
一方でフェイスブックは、その文化や、社会性、経済の規模といった点で影響力が大きく、これまでのIPOとは一線を画すと米ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。
リンクトインやジンガなどは序章に過ぎず、大型IPOの本丸はフェイスブックと言われていただけに期待が高まっているという。
売上高は予想に届かず
公開された目論見書によると、昨年末におけるフェイスブックのアクティブユーザー数(定期的にサイトに訪れる人数)は8億4500万人で、1年前から39%増えている。
また同社の業績も公開された。それによると昨年の年間売上高は37億1100万ドルで、純利益は10億ドルだった。売上高については、市場調査会社の米イーマーケターが42億7000万ドルと予測していたが、これには届かず、若干期待外れとも言われている。