米国の市場調査会社イーマーケターの予測によると、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)世界最大手、米フェイスブックの2011年における売上高は、昨年の20億ドルから2倍以上に増加し、42億7000万ドルになる見通しだ。
売り上げ規模はグルーポンの6倍
フェイスブックは非上場企業のため有価証券報告書の作成義務はなく、決算を公表していない。
イーマーケターは消費者やマーケティング担当者のサービス利用率や広告料などを分析し、フェイスブックの広告事業に詳しい専門家への聴き取り調査なども実施して推定値を算出した。
フェイスブックの業績については先頃英ロイターが事情に詳しい関係者の話として、今年上半期(1~6月)の売上高が16億ドルになったと報じていたが、今回のイーマーケターの予測と合わせると、その年間売上高は概ね30億~40億ドル規模と言えそうだ。
これに対し、フェイスブック同様に新規株式公開(IPO)が注目されている、クーポン共同購入サイトの米グルーポン、ソーシャルゲームの米ジンガの売上高はそれぞれ7億1340万ドルと5億9700万ドル(いずれも2010年実績)。
また、先にIPOを果たしたビジネス向けSNSの米リンクトインは2億4300万ドル(同)。今のフェイスブックという企業はこれらに比べはるかに規模が大きいことが分かる。
収益源の多様化進む
イーマーケターによるとフェイスブックの売上高の内訳は、広告収入が38億ドル、SNS内で利用される仮想通貨「フェイスブック・クレジット」による収入が4億7000万ドルとなる見込み。それぞれ前年の約2倍、約3.4倍に増えると予測している。
また広告収入は2012年に57億8000万ドル、2013年には70億ドルと、今後急拡大するとイーマーケターは予測している。