4年に1度の祭りの到来である。
年明けの1月3日、米国大統領選の予備選が始まった。筆頭がアイオワ州(党員集会)で、6月末まで予備選が続く。本選挙は11月6日で、それまで長い戦いを続けていかなければならない。
民主党からは現職バラク・オバマ大統領が再選を目指す。一方の共和党は過去半年、支持率トップの候補がほぼ1カ月ごとに入れ替わる目まぐるしさだ。
だが春先には共和党の代表候補も決まり、秋にオバマ大統領との一騎打ちとなる。
統計を駆使して1年前から大統領選の結果を予測
現段階で、オバマ大統領か共和党候補のどちらが勝つかを予測してみたい。
妖しい予言者に予想してもらうのではない。実は米国には政治学者や数学者、経済学者などが数値や統計を利用して、1年も前から当選者を予測している。しかも、学者によっては過去数十年、外すどころか一般投票の得票率も僅差で言い当てている人たちがいる。
ズバリ述べると、来年の選挙ではほとんどの学者が「オバマ再選」を予測している。それは曖昧な「予想」ではなく、合理性のある「予測」で、注目に値するものだ。
予測モデルが取り入れられたのは1984年からである。首都ワシントンにあるアメリカン大学歴史学部のアラン・リッチマン教授が81年に予測モデルを開発。
1860年から80年までの選挙を研究・分析し、84年から独自の指標を使って本選挙の数カ月前に当選者を予測し始めた。84年から2008年までの7回では、すべて「アタリ」を出している。
2000年のゴア元副大統領とブッシュ氏の激戦も、一般投票ではゴア氏が上回ると予測した。そして来年の選挙は、「オバマ再選」を打ち出している。
「景気が低迷しているので、オバマ再選は難しいという分析結果もたくさんあります。ただ経済指標だけに頼るのではなく、いくつもの指標を使うべきなのです。共和党に強力な対抗馬がいない状況や、オバマ氏が1960年代以来最も重要な法案である国民皆保険を成立させたり、イラク戦争とアフガニスタン戦争を収束させている点も大きなプラス要因です」