米労働省が5日に発表した米11月の雇用統計は、筆者作成の関連統計「星取表」の弱さから警戒されたレベルを超える、しかも前回10月分のマグニチュードを超える、劇的な悪化となった。非農業部門雇用者数は、市場予想レンジ下限を下回る▲53万3000人(1974年12月以来の減少幅)。しかも過去2カ月分の下方修正は非常に大きなもので、9月分は▲28万4000人から▲40万3000人へ、10月分は▲24万人から▲32万人へと、それぞれ下方修正された(9・10 月の下方修正幅合計は▲19万9000人)。非農業部門雇用者数の減少は、1月からこれで11カ月連続。雇用者数の年初来減少累計は▲191万1000人に達した。

 

 

いつものように、注目業種4つの雇用者数減少幅を見ておきたい。
(1)建設業は▲8万2000人(前月▲6万4000人)。住宅関連、非居住用ともに大幅な減少。
(2)製造業は▲8万5000人(前月▲10万4000人)。航空機メーカーのスト終了要因で+2万7000人改善。
(3)小売業は▲9万1000人(前月▲6万2000人)。うち販売不振の自動車ディーラーが▲2万4000人。
(4)金融業は▲3万2000人(前月▲3万1000人)。過去3カ月に減少加速。信用仲介、リースなど。

 サービス部門全体の雇用者数は、▲37万人という大きな落ち込みになった(前月▲15万3000人)。米11月のISM非製造業雇用指数が31.3へと前月比10.2ポイントも急低下していた事実と整合する結果である。内訳を見ると、プロフェッショナルビジネスサービスの▲13万6000人が目立つ(うち派遣社員サービスが▲7万8000人)。増加した業種はヘルスケア(+3万4000人)など少数にとどまった。

 

 また、11月の失業率は6.7%で、前月から0.2ポイント上昇した。これは1993年10月以来の高水準である(下3ケタまで計算すると6.682%)。