2011年11月23日、韓国の証券市場「コスダック」に超人気のIPO(新規株式公開)があった。社名はYGエンターテインメント。5人組男性ダンスグループ「ビッグバン」などを抱える韓流企業だ。
同社は、若者に圧倒的な人気を得ているアーチストを多数抱えているが、証券市場でも爆発的な人気となった。
公募の競争倍率は560倍、IPO初日に2.3倍に高騰
額面5000ウォン(1円=14ウォン)に対して公募価格は7倍近い3万4000ウォン。この株式を手に入れようと幹事証券会社には申し込みが殺到した。
株式を公募価格で買うための競争率は何と560倍で、3兆6000億ウォンを超える申込金が証券会社に集まった。
IPO初日。取引は公募価格をさらに2倍上回る6万8000ウォンで始まった。結局、この日の終値は7万8200ウォン。公募価格の2.3倍に達した。
YGエンターテインメントは、日本でも有名な「韓流銘柄」だ。「ビッグバン」は日本でも超人気で、公演にはファンが殺到している。
さらに女性4人組のポップグループ「2NE1(トゥエニィワン)」も、若い女性の間で圧倒的な人気だ。9月の日本での初めてのコンサートでは、6回の公演で7万人を集めたという。「2NE1」は、韓国では「少女時代」「ワンダーガールズ」と並んで3大ガールズグループと呼ばれている。
YGエンターテインメントは、韓国では有名な男性ダンスグループとして1990年代前半に一世を風靡した「ソテジワアイドゥル」のメンバーだったヤン・ヒョンソク氏が設立した。
日本での韓流ブームに乗って急成長した高収益企業
「ビッグバン」の大ヒットで事業は急拡大し、2008年に185億ウォンだった売上高が2010年には448億ウォンに急増した。2011年も上半期(1~6月)だけで447億ウォンの売上高を上げている。2010年の営業利益も107億ウォンで超高収益企業だ。
YGエンターテインメントは、日本での韓流、K-POPブームに乗って急成長した企業でもある。2010年の売上高のうち海外比率は43%だが、そのうちの90%が日本での売上高だという。