電子機器・部品の市場調査会社、米IHSアイサプライがまとめた世界半導体市場調査によると、2011年の業界全体の売上高伸び率は1年前からわずか1.2%にとどまる見通しだ。
同社は4月時点で今年の売上高が前年比7%増(3252億ドル)と予想していたが、9月になってこれを2.9%増へと変更し、今回さらに下方修正した。
今年は東日本大震災に加え、タイが洪水被害に見舞われており、景気回復を遅らせている。
また来年の世界GDPは横ばいの3.0%にとどまるとの予測も出ており、消費者支出が引き続き抑制されることから半導体業界にも影響が出る。
同社は来年の半導体市場の伸び率は3.2%と今年を上回るものの、より力強い成長は2013年まで見込めないとしている。
日本メーカー、第3四半期に大きく回復
ただそうした中でも今年はかろうじてプラス成長を維持できる見込みであることから、最悪の事態は免れ、これが市場心理に及ぼす影響は大きいと同社の主席アナリスト、デール・フォード氏は述べている。
東日本大震災発生後の第2四半期(4~6月期)に日本のメーカーは売り上げを大きく減らし、市場規模は縮小した。また景気低迷も手伝って、電子機器・部品のサプライチェーンへの不安が広がったことから、多くのアナリストは第3四半期(7~9月期)も後退が続き、年間売上高の減少につながると見ていた。