「ウィンドウズにウェブブラウザーの選択画面が導入され、欧州では今、改めてブラウザーへの関心が高まっている」と米ニューヨーク・タイムズが報じている。
米モジラは、これまで5万人が選択画面を介して「ファイアーフォックス(Firefox)」をダウンロードしたと報告している。ノルウェーのオペラソフトウエア(Opera)は、フランスや英国などの5カ国でダウンロード件数が3倍に増えたという。
「ユーザーはウェブブラウザーにそれほど関心を持たなかったが。この新しい取り組みが始まり、これまでと違うブラウザーを選ぶ人が現れだした」と記事は伝えている。
5年間、ウィンドウズに12社のブラウザーを表示
ブラウザー選択画面は、米マイクロソフトが欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)との協議を経て提案したもので、この2月末から欧州の一部で搭載が始まった。これまで次のような経緯があった。
欧州委員会は2009年の1月、基本ソフト(OS)とウェブブラウザーを抱き合わせて販売しているマイクロソフトの行為が欧州の競争法に違反する疑いがあるとして同社に異議声明同社に送った。
これを受けてマイクロソフトは、欧州で販売するウィンドウズには「インターネット・エクスプローラー(IE)」を搭載しないと提案したが、欧州委員会は「消費者にブラウザーの選択肢を提供することにならない」と反論。最終的にOSに競合ブラウザーを選択できる画面を表示することをマイクロソフトが提案し、昨年の12月、両者は合意に達した。
対象となるのは、「ウィンドウズXP」「ウィンドウズビスタ」「ウィンドウズ7」。新規に販売されるウィンドウズのほか、今から今年の5月半ばにかけて欧州全域でアップデートを適用する。
アップデートされたウィンドウズには、選択画面が現れ、そこにファイアーフォックスやオペラ、米グーグルの「クローム(Chrome)」、米アップルの「サファリ(Safari)」といった合計12種類のブラウザーが表示さる。ユーザーはリンクをたどってそれぞれのブラウザーをダウンロードできるようになる。