8日の東京市場は、欧州情勢をにらんでのややリスク回避的な動き。ドル円は早朝に77.99レベルまで下押しする場面もあったが、すぐに78円台に戻している。これまでのレンジは77.99-78.10と極めて狭い。個人投資家が介入期待から下値を拾っているとの観測があった。昨日の海外市場ではユーロ売りが先行した。イタリア債が売られるなど同国の債務状況を懸念する動きが話題の中心だった。その財政改革の手腕に疑問が呈されているベルルスコーニ伊首相だが、辞任観測が流れるとユーロ買いを誘う場面もあった。神経質な動きを示したユーロだが、東京市場では値動きが止まっている。ユーロドルは1.3738-73、ユーロ円は107.25-49レンジに留まっている。
株式市場は日経平均は軟調で、特に損失先送り報道がでたオリンパス社長会見が開かれた午後には8600円台へと水準を下げている。ただ、NY株が堅調だったことでアジア株は小高く推移している。豪ドル円は81円近辺から80円台半ばへ、豪ドル/ドルは1.03台後半から前半へと水準を下げた。豪貿易黒字が予想水準に達しなかったことや、豪企業信頼感がマイナスだったことなどが豪ドルの重石となっていた。そのなかで、昨日と同様にスイスフランは売り圧力が継続している。ドルスイスは0.9045レベル、ユーロスイスは1.2445レベルと前日高値を上回る動きがみられた。スイス中銀のユーロスイスの下限を引き上げる可能性示唆が引き続き材料視されている。全般には、この後の欧州の動きをにらんで模様眺め気分が支配的だった。きょうはイタリア下院で緊縮予算案の採決が実施される予定。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)