先週、オリンパス問題をめぐる国内外のメディアの報道姿勢の違いを取り上げたが、フィナンシャル・タイムズ紙(以下FT紙)も、今週月曜日に公開した『オリンパス報道で注目される臆病な日本メディア』で、日本の主要メディアがオリンパスのニュースを軽く扱ったことについて論評している。

 11月2日には、オリンパス経営陣に対する損害賠償請求訴訟を起す動きが報じられるなど、ようやく日本のメディアでもオリンパス事件の報道が活発になってきたことは喜ばしい。(参考

 この点についてFT紙は、「日本のメディアはこの1週間、 政治家や規制当局の発言に勇気付けられてか、より積極的にオリンパスの報道に取り組んできた。

 10月27日の記者会見では、経営陣が質問に答えていないと不満を述べ、1時間で会見を打ち切ろうとした広報担当者を怒鳴りつけ、20分間延長させた」と会見現場の様子を説明している。

 FT紙は『社説:オリンパス問題の幕引きを許すな』で、菊川氏を擁護するばかりの取締役会、動きの鈍い金融庁と東証、そしてオリンパスの監査法人についても疑問を提示している。

 さらに11月3日、ウォール・ストリート・ジャーナル 日本版では新たな情報として、オリンパスの取締役会が不可解な4件の企業買収をしたのは、ノーベル経済学者のロバート・マンデル氏、元通産省官僚、内視鏡検査が専門の病院院長が社外取締役の任期中だったと報じている

 今回の事件では海外報道が先行し、日本の主要紙では当初、「欧米メディアが~~と報道」という見出しが多かった。ツイッター上ではこれを「リツイート報道」と揶揄するコメントも見られたが、オリンパスの事件はまだまだ底が深そうだ。

 日本の主要メディアには、菊川氏や森副社長など日本側の当事者にアタックし、真相を追求してほしい。