韓国のスパイ、練習機めぐり諜報活動か インドネシア特使団の部屋に侵入

韓国の泗川空軍基地に着陸するT50超音速練習機〔AFPBB News〕

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 こうした防衛産業の基盤充実と軍事技術の進展に伴い、韓国製の武器輸出額も年々増加の傾向にある。2007年以降の輸出額は格段に増加した。KT-50高等練習機や「K-3」自動小銃の輸出が始まった。

 現在はトルコや東南アジア諸国への輸出が主体であるが、世界各国へ官民一体となった積極的な売り込みを展開している。2009年度の輸出額は11億7000万ドルにも上った。

 2005年の2億6000万ドルから大幅な伸びである。国家施策として防衛産業の拡大や防衛技術の開発が進められている。

 防衛産業を「新経済成長動力」と位置付け、大統領直属の未来企画委員会が国防関係長官会議を開催し、2020年までに年間の生産額を100億ドルに、年間輸出額を40億ドルに引き上げ、雇用を5万人にする目標を示したと報道された。

韓国防衛産業急成長の背景

 韓国防衛産業が急成長できた要因を要約すれば以下の通りとなる。第1に、国家主導で防衛産業育成が行われた。国産主要装備品は民間企業で生産されてきたが、国家プロジェクトの下、国の手厚い支援を得て育成されてきた。

 第2に、将来装備の研究開発は国防部主導で進められてきた。前述の国防科学研究所は全国に研究施設を展開し、潤沢な研究開発費が充当されている。こうした軍事技術はスピンオフにより韓国産業の技術発展にも大いに貢献していることを国防部は強調している。

 第3に、韓国の積極的な武器輸出活動である。そもそも韓国には武器輸出に関する制約がない。共産圏国家への輸出規制等の制約はあるものの、国家事業として武器輸出に力を注いでいる。

 防衛産業界はもとより、国防部関係者や外務部関係者が一体となって売り込みに努力している。緊要な時期には大統領自ら訪問先で売り込みにあたる。

 中近東、アジア諸国では欧米の高騰したハイテク装備よりも、安価でアジア人の体形に適した装備品に関心が高い。韓国製の武器が手頃で実用的なことも輸出に大きな要因となっている。

 こうした韓国の防衛産業の発達や輸出増大の傾向には、韓国の経済急成長と技術進展および研究開発の急成長、並びに国家の強力なテコ入れがその背景にあり、今日の韓国防衛産業が発展できたことは言うまでもない。この防衛産業の進展は韓国経済の発展に相応し今後も続くと思われる。