日本人の有給取得率は5割以下

豪当局、夏のビーチで「日焼け防止音楽」

欧州では有休取得率はほぼ100%〔AFPBB News〕

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 休めるものならピーク時季を外す方が、時間を有効に使えるしコストも小さくて済む。そこで注目されるのが労働基準法で義務づけられた年次有給休暇(年休)だ。「最低10日間」「連続して取らなくてもいい」と規定されているのに、日本人の有給取得率は極めて低い。厚生労働省の調査によれば、取得率は1993年の56.1%をピークに低下傾向を辿り、2007年は8.3日、取得率は46.6%だった。この年の有給付与率は平均17.7日だったから10日近くが消化されていない。ちなみにフランスやドイツ、イギリスなどの有給取得率はほぼ100%である。

 有休を取りにくい、休みにくいから週末や大型連休に人出が集中してしまうのだ。言い換えれば、サラリーマンがもっと有給を取って、週末や大型連休以外にも休んでくれればプラス効果が生まれるのではないか。休む時を固定しない代わりに、年間のどこかで必ずまとまった休暇を取れるように従業員に義務付ける。有給休暇の完全取得促進を通じた休日の分散化が望まれる。

経済効果12兆円、雇用創出効果は150万人

 休日を増やしたり、年休の取得を促進したりする政策自体は目新しい話ではない。週休2日制に加えて月曜日を休日にして3連休にし、余暇を増やそうという「ハッピーマンデー制度」も広義ではその範疇に入るだろう。

 2001年6月に海の日と敬老の日を第3月曜日に指定する祝日法の改正が行われ、2003年1月から施行された。これで祝日3連休は、成人の日と体育の日と合わせ年4回になった。日本の「国民の祝日」は年間15日。欧米主要国(約10日)の1.5倍だ。

 政府は年休の取得促進でも、2002年6月に「休暇改革はコロンブスの卵」という調査報告書を発表。サラリーマンが年休を完全取得すれば、その経済効果は12兆円に上り、150万人の雇用創出効果があるとして、12省庁(当時)が共同でチラシを配布したり新聞広告を打ったりと年休の取得促進キャンペーンを張った。