(先週から続く)
倒産寸前だった状況で経営を引き継いだ時、松坂敬太郎氏は、「社員が希望と夢を持てる会社にする」ことを誓ったといいます。そして「世界一になる」という夢を掲げ、社員とともにその実現を目指すことで、夢を実現させてきました。
経営とは、夢を語り続けて共有すること
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「経営とは、夢を語り続けてみんなと共有することとも言えます。夢を語る経営者はたくさんいますが、途中でころころ変わってしまってはだめです。1つの夢がかなうまで、何年でも語り続けることが大切なのです」(松坂氏)
もちろん、ただ夢を語り続けて社員と共有しさえすれば、夢が実現できるわけではありません。経営を引き継いだ時、松坂氏は次の10項目の行動指針を社員に示しました。
会社がつぶれるかどうかという状況の中で、自ら必要とされる価値観を考えて表したものです。社員を管理者に登用する際は、この行動指針に合っているかどうかで評価しているのです。
一、人それぞれ任あり 任を果たすべし
一、任に当るに素直な心をもってすべし
一、障害常にあり 克服を喜びとすべし
一、我以外皆師と心得 謙虚であるべし
一、人皆長所あり 長所を尊ぶべし
一、日々これを真剣勝負の場と心得べし
一、約束 これを守るべし
一、決めしことこれを実行すべし
一、命ぜられしことこれを行い報告すべし
一、能力に限界なしとおもうべし
ラジコン模型ヘリで世界一になった後、松坂氏が次の夢として掲げたのは、世の中の役に立つヘリコプターの実現でした。松坂氏がその夢を抱いたきっかけとなったエピソードがあります。