10年以上も前から韓国最大の財閥と言えば、サムスングループだった。サムスン電子の圧倒的な収益力を背景に、他の財閥を大きく引き離して規模でも収益力でも首位を独走してきた。
ところが、今年になって異変が生じている。世界市場でぐんぐんシェアを伸ばす現代自動車グループが、上半期(1~6月)に初めて純利益額でサムスングループを追い抜いたのだ。
4割増益で大逆転
韓国取引所などの集計によると、上半期の現代自動車グループ上場9社の純利益の合計額は9兆1679億ウォン(1円=15ウォン)で、サムスングループの上場13社の純利益額8兆1035億ウォンを上回った。
現代自動車グループは、主力の乗用車の販売を世界市場で伸ばし、上半期の利益額が前年同期比で42%増となった。
これに対して、サムスングループは、主力の半導体や液晶パネルの市況悪化などで上半期の利益額が同20%減少し、逆転劇となった。
世界的にIT(情報技術)市況が調整局面に入った中で、サムスングループの上半期の利益額が8兆ウォンを超えたというのも驚異的な水準だ。しかし、現代自動車グループの躍進ぶりはこれをも上回る内容だった。
米国市場で4位に躍進
現代自動車グループのここ数年の世界市場での成長ぶりはすさまじいの一言に尽きる。
米乗用車市場での1~8月の販売台数(現代自動車とグループ会社である起亜自動車の合計)は77万台を超えた。日産自動車に続いてホンダも抜き、ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード・モーター、トヨタ自動車についで4位に浮上した。シェアも9%を超え、2ケタ乗せまであと一歩に迫った。