最近の国内外情勢を見るにつけ、歴史上今ほど日本が危険な状態に置かれていることは少ないのではないかと私は思う。今現在、一見平穏に過ごせているにもかかわらず、なぜか?

 理由は複合的で単純ではないが、それらの主な要因に以下の項目が挙げられると思う。

日本に危機をもたらしている6つの要素

(1)日本国民の覇気の喪失
(2)日本政府の明確な指針とビジョンの不在
(3)米国の国力低下による世界の混迷
(4)中国の疑似的繁栄と共産党政権の政治経済的破綻の兆候
(5)全世界的な閉塞状態
(6)高度技術拡散による強力な破壊力の分散

 日本が平和と安全を求めるなら、日本人自身がそれを守る自覚・覚悟とそれを裏づける備えが必要であるが、そのような意識が国政トップレベルにさえ乏しいように見えるのが昨今の現実である。

 今日の状況に至る最大の原因は日本国民に日本人としての誇りと人として備えるべき教養を養成してこなかった劣悪な戦後教育にあるが、今さらそれを言っても始まらない。

 今すぐにでも可能な限り多くの日本国民が、人類の歴史の中で国家・民族の栄枯盛衰がどのように展開してきたかをまず知らなければならない。

 歴史書の中には多少の誤謬も含まれていようが、重箱の隅に拘るのではなく、大きな時の流れを見た時、人類がいかなる背景の中で原因となるトリガーを起動し、行動し、その結果を得たのか? を冷静に学ぶべきである。

 そのうえで、世界史上稀に見る長きにわたって独立と平和を享受し繁栄してきたこの国に生まれたことに日本人として感謝し、誇りを持つべきであろう。