米ヤフーは6日、キャロル・バーツ最高経営責任者(CEO)が退任したと発表した。今後はバーツ氏に代わりティモシー・モース最高財務責任者(CFO)が暫定CEOを務め、その間に正式なCEOを探すとしている。
モース氏はCFOも兼務し、取締役会が選んだ経営幹部委員会のメンバーがモース氏の日常業務を補佐するほか、共同創業者のジェリー・ヤン氏とデビッド・ファイロ氏が引き続き「チーフヤフー」として、この経営幹部委員会に助言する。
会長が電話で解雇通告
ヤフーはバーツ氏の退任理由など詳細について明らかにしていないが、米メディアなどによると解任されたもようだ。
ウォールストリート・ジャーナルは事情に詳しい関係者の話として、バーツ氏に事前情報は入っておらず、同氏は6日、取締役会の決定をロイ・ボストック会長からの電話で聞いたと伝えている。
バーツ氏の任期はまだ1年以上残っていることから、突如の解任劇だったようだ。
同紙はさらに取材しており、ヤフーの社外取締役がこの2週間にわたって、ヤフーの資産や業績について調査していたと伝えている。ヤフーの業績が改善しないという問題については、ほぼ1年前から議論されていたが、取締役会は最終的に、この状況を打開するにはトップの交代しかないと判断したという。
ハイテク企業の重要ポストを歴任
バーツ氏は、テクノロジー企業の経営に長けた人物と評価されてきた。1983~1992年に高性能サーバーの米サン・マイクロシステムズ(現オラクル)で部門副社長や管理職を務めた後、1992年にはCAD(キャド)ソフト大手の米オートデスクのCEOに就任し、その後同社の取締役会会長を務めた。