日本自動車輸入組合が毎月発表している輸入車新規登録台数のうち、車名別内訳「BMW」を、消費動向のインディケーターとして、筆者は以前から注目している。値が張る耐久消費財であることから、もっぱら高額所得者層の消費動向を探るツールとなる。ここでは、今年3月を含む過去4回の日経平均株価底打ちの後の局面における「BMW」新規登録台数の前年同月比を、グラフにしてみた(図表1~3;日経平均株価は終値ベース)。
図表1のケース(1998年10月に1万2879.97円でボトムをつけた日経平均株価は、ITバブルの波に乗って、2000年4月に2万833.21円でピークを記録)では、「BMW」新規登録台数は、月ごとの振れが大きいものの、前年同月比+10%超を記録する月がかなり多かった。株高による資産効果が、比較的素直に出ていたと言えるだろう。
図表2のケース(2002年2月に9420.85円でボトムをつけた日経平均株価は、同年5月に1万1979.85円でピークを記録。そこから急落して2003年4月に7607.88円でボトムをつけ直した日経平均株価は、息の長い上昇局面入りし、2007年7月に1万8261.98円でピークを記録)では、「BMW」新規登録台数は、2002年前半の株高局面では目立った回復を示すことなく、同年後半には再度悪化。その後、2003年4月に株価が再度ボトムをつけた後は、同年10月以降、目覚ましい増加ぶりとなった。
今回、図表3のケース(2009年3月に7054.98円でボトムをつけた日経平均株価は、同年8月に1万600円台を記録し、9月は上値の重い展開を続けた)はどうか。