米アマゾン・ドットコムが電子書籍の販売で米アップルへの新たな対抗策を打ち出した。この動きによって、同様の試みをする企業が登場すると見られており、今後新たな展開へと発展しそうだ。

 アマゾンは、同社の電子書籍を閲覧したり、購入したりできるウェブアプリケーション「キンドル・クラウド・リーダー(Kindle Cloud Reader)」を公開したと発表した。

アップルの手数料を回避

米アマゾン、10月前にiPadライバル機を発売 WSJ

アップルへの対抗心をむき出しにするアマゾン・ドットコム〔AFPBB News

 アマゾンが販売する電子書籍を「アイパッド(iPad)」などのアップルのモバイル端末で読むには、アマゾンがアップルのアプリ販売/配信ストア「アップストア(App Store)」を通じて配布する専用アプリを利用する必要があった。

 しかし、アップルが設けている規定によって、アプリ内で販売されるコンテンツはその売り上げの3割が手数料としてアップルに徴収されてしまう。

 この手数料が高すぎると反発するアマゾンなどのコンテンツ業者は、アプリ内に自社の販売サイトへのリンクを設け、ユーザーを自社サイトに誘導して書籍を販売していた。

 ところが、アップルはそうした行為を阻止しようとアプリ内にリンクを設けることを禁じ、規定に従わないアプリを排除するという策に出た

 アマゾンが今回公開した「キンドル・クラウド・リーダー」は、端末に備わる標準のウェブブラウザーで利用できるサイトだ。専用アプリではないため、アップルに手数料を支払う必要はない。

 サイトは「HTML5」というウェブの新しい標準技術を使って構築されており、専用アプリに近い操作感で読書をしたり、書籍を購入したりできる。