つい数年前まで世界の携帯電話市場で圧倒的な競争力を誇っていたフィンランド・ノキアの牙城がついに崩れた。米国の市場調査会社ストラテジー・アナリティックスが7月29日までにまとめたリポートによると、4~6月期の世界のスマートフォン市場で、米アップルと韓国サムスン電子の出荷台数がそれぞれノキアを上回り、ノキアは3位に転落した。
サムスン、スマホの出荷台数1年で6.2倍に
アップルの「アイフォーン(iPhone)」の同四半期中の出荷台数は2030万台。ストラテジー・アナリティックスはこれに先だって、1~3月期のアイフォーンの卸売販売額が119億ドルとなり、ノキアの94億ドルを上回ったと報告していたが、4~6月期は出荷台数でもノキアを上回り、アップルは世界スマートフォン市場のトップに躍り出た。
アップルがアイフォーンを発売したのは2007年の6月。販売開始から既に4年が過ぎているが、ストラテジー・アナリティックスによるとアップルは中国をはじめとするアジアの新興国市場でも販売を強化しており、アイフォーンの成長率は堅調を維持したまま。この4~6月期の出荷台数は1年前から2.4倍に増えた。
一方サムスンの4~6月期におけるスマートフォンの出荷台数は1920万台で、ノキアの1670万台を上回った。
サムスンは「ギャラクシー(GALAXY)」シリーズが好調で、とりわけ高付加価値端末の「S II」モデルが人気を博し、出荷台数は1年前の310万台から実に6.2倍へと急増した。
ノキアは昨年1年間でスマートフォン出荷台数が初めて1億台を超えるなど、長年業界のリーダーだったが、ここに来て失速した。
出荷台数のシェアを見ると、アップルが1年前の13.5%から18.5%に、サムスンが5.0%から17.5%に拡大するなか、ノキアは38.1%から半分以下の15.2%へと減った。