携帯電話機大手のフィンランド・ノキアが決算を発表し、同時に米マイクロソフトとの戦略的提携の正式契約を結んだことも明らかにした。コスト削減を図りながらウィンドウズ端末を開発し、スマートフォン分野で米アップルや米グーグルの端末に対抗するのが狙いだ。
そうした中、米国の調査会社ストラテジー・アナリティックスが「携帯電話の卸売販売額で、アップルが初めてノキアを抜いて世界のトップになった」とする調査結果を発表し、話題を呼んでいる。
ストラテジー・アナリティックスによれば、1~3月期におけるアップルの「アイフォーン(iPhone)」の出荷台数は1860万台、卸売平均販売価格は638ドルだった。
これに対し、ノキアの携帯電話出荷台数は1億850万台と圧倒的に多いが、その平均販売価格は87ドルと低い。これによりアップルの卸売販売額が119億ドルとなり、ノキアの94億ドルを上回ったというのだ。
「アップルはパソコンメーカーでありながら、わずか4年で携帯電話市場で世界のトップとなった」とストラテジー・アナリティックスはコメントしている。
ただしこの市場ではライバルが猛追しており、アップルも安閑としてはいられない。グーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」を採用する端末の台数は2011年末までにアイフォーンを抜くと同社は見ている。
同時にノキアも、マイクロソフトと組んでアップルの地位を狙っている。
「決算は堅調」と評価されたが・・・
そのノキアは、長らく携帯電話の世界最大手として市場を支配してきた。しかし低価格機の分野では新興国メーカーが、スマートフォン分野ではアイフォーンやグーグルOS端末が同社のシェアを浸食している。
ノキアが21日に公表した1~3月期の決算資料によると、1年前に33%あったノキア端末の世界シェア(台数ベース)は29%に低下している。