アップルの1~3月期、純利益ほぼ倍増 iPhoneが好調

好調なアップルを牽引するのがiPhoneだ〔AFPBB News

 米アップルが20日、1~3月期の決算を発表した。スマートフォンの「アイフォーン(iPhone)」の販売台数が1年前に比べ2.1倍になり、純利益もほぼ倍増した。

 前日、半導体世界最大手の米インテルが発表した決算が市場関係者を驚かせたが、アップルの決算も予想を大きく上回った。これを受けてアップル株は同日の時間外取引で4%近く上昇した。

 もっとも、アップルという会社の今の規模はインテルの2倍。アップルの1~3月期の売上高は1年前から83%増えて246億6700万ドル(約2兆円)、純利益は同95%増えて59億8700万ドル(約4900億円)となった。

 病気療養中のスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は決算の発表資料で「我々はエンジンをフル回転させている。今年も引き続きすべての分野で革新していく」と強気な発言をしている。

iPhoneの売り上げ、123億ドル

 今の同社を支えているのはパソコンの「マック(マッキントッシュ)」でもなく、携帯音楽プレーヤーの「アイポッド(iPod)」でもない。

 1~3月期のアイフォーンの販売台数は1865万台となり、前期からも15%増えた。金額で見ると122億9800万ドルで、実に全売上高の半分(49.86%)を占める。

 1~3月期の販売台数は年末商戦のある10~12月期から減少するのが通例で、今回の決算でもアイフォーンを除くすべての製品で前期比減となっている。

 アップルは詳しいデータを公表していないが、これはアイフォーンが2月から米携帯電話サービス最大手のベライゾン・ワイヤレスからも契約できるようになったことが要因の1つと米欧のメディアは伝えている。

 興味深いのは、アイフォーンの販売増によって同社パソコンの全売上高に占める割合が20%程度にまで低下していること。今やアップルという会社はパソコンメーカーではなく、モバイル端末メーカーと言ってもよい。