11月に入って早々に出てきた様々な材料は、世界景気後退(IMFの定義によれば成長率+3%割れ)が徐々に現実味を帯びており、各国中央銀行は利下げペースを加速せざるを得ないという、厳しい現実を確認させるものになった。具体的には以下の通り。
◆米10月のISM製造業景況指数は38.9に急低下し(前月比▲4.6ポイント)、1982年9月以来の低水準に。受注残高が29.5に低下するなど、内容も悪い(3日)。
◆米10月の新車販売台数は前年同月比▲31.9%。金融危機を背景に信用収縮が強まるとともに、消費マインドも大きく悪化している中で。12カ月連続の前年割れで、約26年ぶりの低水準に(3日)。
◆欧州委員会が事実上のユーロ圏「景気後退宣言」。秋季経済見通しで実質GDP成長率を2008年+1.2%、09年+0.1%に大幅下方修正。四半期ベースでは、2008年4-6月期の前期比▲0.2%に続いて、7-9月期と10-12月期もマイナス成長になると予想した(3日)。
◆ユーロ圏10月の製造業購買部協会景況指数(PMI)確報値は41.1(前月比▲3.9ポイント)。速報値からは0.2ポイント下方修正。統計開始以来の最低水準を更新した(3日)。各国別では、ドイツが42.9で01年10月以来の低水準。フランスが40.6で過去最低。
◆中国10月の製造業購買部協会景況指数(PMI)は、中国物流購買連合会発表の公式ベースで44.6(前月比▲6.6ポイント)となり、好不況の分岐点である50を3カ月連続で割り込むとともに、統計開始以来の最低水準を記録(1日)。
◆インド準備銀行(RBI)は政策金利であるレポレートを0.5%引き下げて年7.5%とした。実施は3日から。また、2段階の預金準備率引き下げも同時に決定した(1日)。