8月19日21日に続く、「『個人消費は7月頃に腰折れ』説」シリーズの第3弾をお届けしたい。理由は、消費が7月頃から一段と悪くなっていることを示すエビデンスが、さらに積み重なったからである。

 25日に日本ショッピングセンター協会が発表した7月のショッピングセンター(SC)売上高は、既存店ベースで前年同月比▲8.5%となり、11カ月連続の減少。マイナス幅は統計が開始された2002年7月以降で最大となった。全店ベースで見ても売上高はマイナスで、前年同月比▲3.5%だった。

 SC売上高は、消費者の購入場所が多様化する中で、消費の実勢をつかむ上で参考になる新しい業界統計として、存在感を近年高めている。筆者は、総務省が発表しているカバレッジが広い消費統計である家計消費状況調査の支出総額との連動性の高さに、以前から注目している。協会ホームページから引用すると、この統計は、以下のようなものである。

「全国のSCから 立地別・SC規模別に1,000SCをサンプル抽出し調査したものです。立地別・地域別・構成別売上高等の幅広い分析から都市規模別の詳細な分析まで、すべてを掲載しています。SC業界の成長を判断する指標のひとつとして大変参考になる統計データです」

 7月の売上高が大きく落ち込んだ理由について、協会では、「雇用環境の悪化、所得減少などにより生活防衛意識は一層高まっている」「昨年は7月に入ってから開始した夏のバーゲンを今年は6月に前倒しで開始しているSCが多く、その反動減も大きく影響している」「加えて梅雨明けの遅れや戻り梅雨による盛夏商品の売上不振や客単価の減少などの影響も重なった」としている。さらに、「全体的にSC内での空区画が増加傾向にあることから、『テナントの退店』を不調要因に指摘するSCが多くなってきている」とも指摘している。

 これより前、24日に日本チェーンストア協会から発表された、7月のチェーンストア(スーパーマーケット)販売額は、既存店ベースで前年同月比▲4.8%になった。8カ月連続の減少で、マイナス幅は拡大基調。しかも、今回の▲4.8%という数字は、7月としては1999年に次ぐ過去2番目の悪さである。