中国中部の安徽省の合肥の路上で客を待つ間に仮眠を取る海賊版DVDの販売業者〔AFPBB News〕
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筆者 主にどんな商品を密輸していたのですか?
女性 DVDデッキと韓国映画のDVDを中国側から北朝鮮側へと輸入するというビジネスに集中していました。
商品を分散しすぎると、当局にルートを見つかる危険性が高まり、リスキーだと判断したからです。医者をやっていた時から非合法に輸入されたデッキで韓国映画を視ていました。
筆者 密輸の場所はどのあたりですか? エリアは固定していたんですか?
女性 密輸地点は長白県や恵山付近が中心でした。密輸が盛んに行われている地域です。中国側との距離が比較的近く、森林が多いため、両サイドの軍人に見つかりにくいというメリットがありました。
筆者 密輸実行の時間はやはり夜ですか? 何人くらいでやっていたんですか?
深夜2~3時、密輸品は軽トラックで川を渡る
女性 基本的に夜中の2~3時ですね。この時間が一番安全なんです。というか、この時間帯しかない。中国側の軽トラックに荷台いっぱいにブツを載せて川を渡ってもらいます。
DVDはダンボールいっぱいに詰め込めるだけ詰め込む。中国側から来るDVDもすべて海賊版。北朝鮮サイドで受け取った後は、10人程度のリレー形式で、目的地としていくつかの場所に設置している倉庫まで運ぶ。決して1人で長くは運ばない、あくまでも担当の区間に集中して、背負って運ばせます。
筆者 お金の受け渡し方は? あと10人程度とおっしゃいましたが、どういう人を雇っていたのですか?
女性 取引のお金は石にくるくるまきにして対岸に投げて受け渡していました。私はあくまでもマネジャーです。基本的に表には出ません。
アルバイトとして雇った男子大学生に現場に行かせ、取引をさせていました。成功報酬として1回につき、1人に対して5万朝鮮ドルを払っていました。
かなりの高額ですが、身の危険を伴いながらやってもらっている仕事です。それくらいの対価は与えてあげないといけないという思いでした。儲け分は基本的に、自分半分~チームの仲間に半分という割合です。
私の中の儲け分は家族や友人に食料を与えたり、生活日常品を贈ったりしました。みんな貧しいから、少しでも生活の支えになりたかった。