私たち日本人は、原子力発電から手を引くべきである。その理由はこれまでにも何度か触れてきたが、改めて整理してみたいと思う。菅直人首相が口では否定したとはいえ、恐らくは近々行われるであろう「原発解散」に備えて。

日本に原発が不要な5つの理由

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 原発が不要な理由は大きく分けて5つあるのではないだろうか。

 1つ目は安全性。福島第一原子力発電所の事故のように、いったん事故を起こせば何十年、あるいは何百年にも及ぶ計り知れない被害をもたらす。

 2つ目はコスト。原発の発電コストは決して安くない。福島第一原発のような事故が起きないことを前提にしても、水力発電や火力発電にかなわない。

 特に世界の地震の約2割が集中していると言われる日本では、耐震性、耐津波性などの対策にフランスなどに比べけた違いのコストをかける必要がある。

 3つ目は国防の問題点。沖縄県を除き日本全国に54基もの原発が並び、警察や自衛隊はそれらをテロやミサイル、爆撃などの攻撃から十分に守る防衛力を保持していない。

 テロ攻撃に遭えば、54基の原子炉そのものが広島や長崎に投下された原爆とは比較にならない巨大な原爆に早変わりする危険性がある。

 4つ目は地球環境に優しいどころか、地球温暖化に最も悪影響を及ぼす発電方式であること。この点は、どうも核兵器開発との表裏一体で原発を推進している米国やフランスの“常識”を鵜呑みにさせられているようである。

 5つ目は大和魂を腐敗させるという問題点。天然資源をほとんど持たない我が国にとって、唯一の資源は人材のはず。優秀な人々が汗をかき、知恵を絞ってきたからこそ、いまの日本がある。