現在、日本男子プロテニス選手の世界ランク(2009年7月29日現在)は、錦織圭が103位、添田豪が166位、杉田祐一が262位、伊藤竜馬が270位、三橋淳が299位、鈴木貴男が320位という順位です。

 一方、アジア人選手の世界ランク(2009年7月29日現在)を見ると、ルー(台湾)が63位、ウドムチョク(タイ)が137位、リー(韓国)が148位、デバーマン(インド)が152位という順位になっています。

 錦織圭、ルーを除く彼らの主戦場は「チャレンジャーツアー」になります。チャレンジャーツアーの賞金総額2万5000~15万ドル。このチャレンジャーツアーで少しでも多くのポイントを稼ぐことが世界トップ100入りの近道となります。現在の世界ナンバー1のロジャー・フェデラー、ナンバー2のラファエル・ナダルも、かつてはこのチャレンジャーツアーを通過していきました。

 国内において開催されている国際大会のうち、チャレンジャーツアーは3大会(ちなみに、賞金総額1万5000ドル以下の「フューチャーズシリーズ」が9大会開催されています)。

 その3大会のうちの1大会として、慶應義塾大学が主催となって「慶應チャレンジャー国際テニストーナメント」を開催しています。現在、11月に開催する第3回大会に向けて、準備を進めているところです。

 今回は、この大会の開催に至るまでのプロセスを通して、国内における国際大会の役割について説明したいと思います。

1万人収容のスタジアムを擁する米国の大学

 2006年当時、国内におけるチャレンジャーツアーは京都で開催される1大会のみでした。2005年8月、私がプロテニス選手として世界ツアーを転戦していた最後の年、私はアメリカツアーを転戦していました。

 会場となっていたのは、ロスアンゼルスのUCLA、ニューヘブンのイェール大学、ケンタッキーのケンタッキー州立大学。米国の大学キャンパス内で国際大会が開催されていました。

 UCLAにもイェール大学にも約1万人を収容するテニス専用スタジアムと数多くのアウトドアコートが整備されていました。国内で例えるならば、慶應義塾大学のキャンパス内に、有明コロシアムのように約1万人収容できるスタジアムとアウトドアコートがあるようなものです。

 そして、地元ボランティアの人々が、空港とホテルとのトランスポーテーション、IDカード発行、練習ボールの用意、ボールボーイ、アンパイア、大会グッズの販売等々、目を輝かせて働いていました。

 もし、日本でも大学キャンパス内でチャレンジャーツアーを開催できれば。世界トップ選手たちが本物の勝負を、日本で多くの人々に見せることができれば。想像するだけで興奮しました。