米グルーポンやジンガなど、ここのところ新興ネット企業のIPO(新規株式公開)の話題が相次いでいるが、同じく急成長を続け、注目されている米ツイッターは、まだ上場の道は選択せず、しばらくはベンチャーキャピタル(VC)からの資金調達を続けるようだと米ウォールストリート・ジャーナルが伝えている。

数億ドルの資金調達を計画中

ツイッター、11年広告収入は120億円に 米調査会社

ツイッターのアカウント数は2億を突破した〔AFPBB News

 同紙はツイッターの事情に詳しい関係者の話として、同社が今、数億ドル規模の資金調達について協議しており、これにより同社の評価額は70億ドル程度になると伝えている。

 ツイッターは昨年12月に2億ドルを調達したが、その際の評価額は37億ドルだった。

 昨年9月に約1億7500万だったツイッターのアカウント数は既に2億を突破した。この7月1日には、1日当たりのツイート(つぶやき)数が2億に達したとも発表。米国の市場調査会社eマーケターによると、昨年4500万ドルだった同社の広告収入は今年、1億5000万ドルになる見通しだ。

 しかし、それでもジンガの昨年の年間売上高、5億9700万ドルや、グルーポンの今年1~3月期の売上高、6億4470万ドルに比べるとツイッターの規模は小さい。従業員数も500人とジンガの4分の1程度だ。

 ウォールストリート・ジャーナルは、「ツイッターのビジネスモデルはまだ未熟で、どの手法が適切な収益源になるのか模索中」と伝えている。

ツイッターの広告事業はまだ未熟

 ツイッターは、2006年のサービス開始時から長らく広告モデルを導入してこなかった。昨年4月になってようやく開始した「プロモーテッド・ツイート」と呼ぶサービスは、検索結果の先頭に企業の広告ツイートを表示するというもので、同社はこれを手始めに関連の広告も始めている。

 昨年は、共同創設者で2年間最高経営責任者(CEO)を務めてきたエバン・ウィリアムズ氏に代わり、ディック・コストロ氏がCEOに就任した。同氏は経営コンサルタントの経験を持ち、米グーグルで広告部門のマネジャーを務めるなどしてきた経営と広告事業のベテラン。このコストロ氏の下、同社は今、収益基盤の強化を図っている。