昨年、最高経営責任者(CEO)兼社長に就任したスティーブン・エロップ氏の下、経営改革を進めているフィンランドのノキア。ここに来てその動きが活発になってきたようだ。
6月30日、携帯電話向けのメール・インスタントメッセージング(IM)サービス企業、英シンクロニカが、同様のサービスを手がけるノキアの事業部門を買収すると発表した。
ノキアとシンクロニカは取引の詳細について情報開示していないが、海外メディアによると売却金額は2500万ドル。これに伴い関連事業の従業員や契約社員など約250人をシンクロニカに移管する。
2013年までに10億ユーロを削減
ノキアは主力事業に注力する経営改革を進めている。今回シンクロニカに売却するのも、広報担当者の説明によると「もはや中核でない事業」。同社はこうした非中核事業をそぎ落とすことで、2013年までに10億ユーロ(約1200億円)のコスト削減を目指している。
エロップCEOが元マイクロソフトの幹部ということもあり、ノキアは苦戦しているスマートフォン分野でマイクロソフトとの連携を深めている。
今年4月、同社はマイクロソフトとの戦略的提携について、予定を前倒しして正式契約を結んだと発表した。
これによりノキアは、マイクロソフトのモバイル基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・フォーン(Windows Phone)」を採用する。
通信事業者や開発者などのパートナー企業に対し、両社製品やサービスのエコシステム(生態系)への参加を呼びかけ、来年初めの製品投入を目指している。