今回は究極の薄毛対策を紹介しよう。それは「自毛植毛」。フサフサ生えている部分の髪の毛を薄くなった部分に移植(植毛)する施術だ。この最大の特徴は、自分の髪の毛が生涯ずっと生え続けること!
カツラのように人の目を気にすることもない。育毛剤のように、わずかな希望が打ち砕かれ続けることもない。正真正銘、自分の毛が生え続けるのだ。
成長期が短くなると薄毛になる
男性の代表的な薄毛は、AGA(男性型脱毛症)と呼ばれているもので、思春期から壮年期以降に前頭部や頭頂部が薄くなっていく。多く見られるタイプとしては、額の剃り込み部分が後退していくM型や、頭頂部が円形に薄くなるO型がある。
その特徴は、毛髪の成長サイクルの成長期が短縮して休止期が長くなること。正常な毛髪の成長期は4年から6年だが、AGAでは、十分に伸びる前に成長が早く止まって休止期に入る。そのため、髪の毛が短い状態で抜け落ちてしまうのだ。その期間がさらに短くなると、ついには産毛ばかりが目立つようになる。
ちなみに、毛がなくなったように見える部分を顕微鏡で観察してみると、産毛は生えていて、毛根の数は正常の場合とほとんど変わらないそうだ。つまり、髪の毛が産毛化する現象が、AGAということになる。
髪の成長を止める犯人はDHT
AGAのメカニズムとは、どのようなものなのだろうか?
その鍵は、毛根に存在する5-アルファリダクターゼという酵素と、血液中のテストステロンという男性ホルモンが握っている。毛根にある5-アルファリダクターゼという酵素が、血液の流れに乗って運ばれてきたテストステロンという男性ホルモンを、デハイドロテストステロン(DHT)という物質に変化させる。
このDHTが毛根に作用すると、毛髪の成長を早期に止めてしまうのだ。つまり、最終的な犯人はDHTというわけだ。
ここで疑問が1つ。なぜ、薄毛の人でも、後頭部と側頭部の髪の毛はフサフサしているのだろうか?
答えは、毛根に存在する酵素、5-アルファリダクターゼの活性の違いだ。つまり、後頭部と側頭部の毛髪の5-アルファリダクターゼの活性は低く、頭頂部と前頭部の毛髪の酵素活性は高いのだ。同じように男性ホルモンが流れてきても、DHTが生まれにくい。