(写真:アマゾンHPより)

 米アマゾン・ドット・コムは米国で処方薬の当日配達を拡大する。2025年に新たに20都市でオンライン薬局を開設し、同年末までに米国顧客の約半数が当日配達サービスを受けられるようにする(発表資料)。

当日配送都市、2倍超に

 アマゾンは18年に、約8億ドル(当時の為替レートで約830億円)で米国のオンライン薬局企業ピルパック(PillPack)を買収した。この企業は患者が医師からもらった処方箋をネットで受け付け、複数の薬を服用時間帯ごとに分けて一包化し、全米に宅配していた。アマゾンは20年11月、同事業を基に「Amazon Pharmacy(アマゾン・ファーマシー)」を立ち上げ、自社ブランドでサービスを始めた。

 当初は、シアトル、インディアナポリス、フェニックス、オースティン、マイアミで当日配達を行ったが、24年3月にはニューヨークとロサンゼルスも加えた。25年は新たに、ボストン、ダラス、ミネアポリス、フィラデルフィア、サンディエゴなど20都市でAmazon Pharmacyを開設し、当日配送が可能な都市を2倍以上に増やす。これにより25年末までにAmazon Pharmacy顧客の45%が当日配達の対象になる。アマゾンによれば、例えば午後4時までに注文すれば、午後10時までに自宅で受け取れる。

60分以内に到着するドローン配送

 米CNBCによれば、Amazon Pharmacyは、米ドラッグストアチェーン大手のCVSヘルスやウォルグリーン、そして米ウォルマートなどの薬局サービスを手がける大手小売業者との競争に直面している。このためアマゾンは医薬品配達の迅速化に取り組んでいる。