欧州極右のメンツ
先日開催されたミュンヘン安保会議でトランプの代理人は昨年に続き、欧州の極右勢力に支援の意を表明している。
今年の代理人マルコ・ルビオは昨年のJ・D・バンスよりも気配りを(そして我々の知りうる限りでは、気が進まない様子を)示した。
だが、それでも「文明」や「キリスト教の信仰」に言及したことは、ルビオがミュンヘンの会議終了後に真っ先に訪ねたオルバンに対する婉曲的な称賛に等しい。
欧州のリベラル派がこうした介入を嫌悪するのは当然だ。そして、米国のナショナリストが嫌悪しないのは奇妙だ。
ごく普通のドイツ連邦政府とAfD寄りの政権とでは、ワシントンの意向に一定の期間従う可能性が高いのは果たしてどちらか考えてみるといい。
米国に対する既存の不信感を仮に抱いていないとしても、極右政党は選挙で勝って権力を維持するために、そのふりをする必要がある。
トランプに従属しているとの評判が立つことを望む右派勢力など存在しない。カナダやオーストラリアの右派政党は2025年、そのような評判のせいで致命的な打撃を被った。
フランスの極右政党「国民連合(RN)」党首のジョルダン・バルデラがグリーンランドに対する米国の威嚇を「帝国主義的だ」と強く非難したことは多くを物語った。
米国はただの「旗を立てた市場」
だが、結局は、選挙に勝ちたいというモチベーションも必要ない。これらの政治運動の底流には米国への偏見がすでに十分備わっている。
その起源は、数世紀に及んだ英国嫌いにさかのぼる。
欧州大陸の保守派は、英国は商業的、科学的すぎるから真のクルツーア(精神文化)を代表する国にはなれないと見ている。
米国が自分たちを嫌う人々を慈しむ自滅的な行為に走っているのは、一体なぜなのか。どういう経緯でそうなったのか。答はすぐには分からない。
まず考えられるのは「何も分かっていないから」という答えだ。
MAGA運動の信奉者はそのリーダーと同様、決してバカではないが、時間をかけて細部に目を通すことは稀だ。
欧州大陸の右翼には反米主義の豊かな伝統があること、そして彼らは米国を国家というよりもむしろ、しっかり統合された市場に旗を立てたものだと見なしていることを単に知らないのかもしれない。
また、米国人の目には欧州の政治が理解しにくいものに映る可能性がある。極右と極左が、米国ではまずあり得ない形で重なり合うからだ。例えば、どちらのグループも自由市場に信を置かない傾向がある。
欧州が「再び活気ある経済」になることをバンスが望むのであれば、フランスのRNやナイジェル・ファラージ率いるリフォームUK(「改革党」というこの名称は実態を反映していない)のように競争を促す改革を敵視する政党に希望を託すのは間が抜けている。