海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」(同機構のサイトより)

南鳥島レアアース試掘をめぐる緊張の高まり

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 海洋研究開発機構は1月9日、南鳥島沖の排他的経済水域(EEZ)でレアアースを含む泥を試掘する探査船「ちきゅう」の出航を、気象条件を理由に12日に延期すると発表、同日清水港を出航した。

 しかし現場海域では、中国の調査船1隻と海警船2〜3隻が接近する典型的な「グレーゾーン妨害」が確認されている。

 海警が前面で圧力をかけ、その後方には中国海軍の駆逐艦・フリゲートが控える3段構えは、中国が他国の資源開発を阻止する際の常套パターンである。

 中国にとって南鳥島レアアースは、世界需要の数百年分とも言われる戦略資源であり、自国の独占体制を揺るがす死活的問題だ。

 これを受け、小泉進次郎防衛大臣は海上保安庁と自衛隊の連携強化を指示し、必要に応じて海上警備行動を発令できる体制を整えつつある。

 海保単独では対処が難しい事態に備え、自衛隊が「警察権」で出動する準備が進む中、南鳥島は日本の経済安全保障の最前線として緊張が急速に高まっている。

なぜ今、緊張が高まっているのか

①日本の試掘が「本番フェーズ」に突入

 2026年1〜2月は深海6000メートル級の本格試掘が行われる最重要期間であり、中国は「既成事実化」を阻止したい。

②中国はレアアースを「外交カード」として失いたくない

 世界生産の約9割を握る中国にとって、南鳥島の稼働は戦略的優位の喪失を意味する。

③日米が資源協力を強化

 米国が日本のレアアース開発を全面支援しており、中国は「日米資源同盟」を牽制したい。