米中との間でバランスをとりつつ、自国にヒトとカネを呼び込む絶好の商機と捉える——
かつてアジアの港湾、金融、テックで東南アジアの人材ハブの地位を確立したのと同様、シンガポールはAIでもしたたかに同じポジションを狙っている。
問われる日本のスピード感
翻って日本。政府は2025年12月に閣議決定した「AI基本計画」や「AI推進法(2025年9月施行)」など体制を整え始めているが、シンガポールはその2年前に策定したNAIS 2.0を実行に移している。中国企業だけでなく、既にオープンAIやグーグルといった大手テック企業もこれらの施策を活用してシンガポール拠点の拡充を進めており、人材誘致策の厚みとスピード感では、差がついているのが実情だ。
資源の限られた小国であっても、自身の役割を認識し、両大国の狭間にある中立地帯としての価値を最大限に高めようとするシンガポール。米中の対立に揺れる中、果たして、日本は自分の立ち位置を確立し、チャンスにできるだろうか。