ますます孤立するクリミア半島
MiG-31の破壊は、戦闘機1機を破壊したという事実だけではなく、そこから見えてくる以下のウクライナの強点やロシアの弱点がある。
(1)クリミアの飛行場でミサイルを搭載して出撃する直前のMiG-31を破壊できたことは、今後のキンジャール攻撃を阻止するためのスタートとなった。
(2)一瞬の隙を突いて攻撃できたことは、ウクライナはクリミアの重要拠点の動きがリアルタイムで分かっていて、いつでも攻撃できる手段があるということを証明した。
(3)ロシアの戦闘機などが、遠方からクリミアに着陸して、基地を中継して再び攻撃する要領ができなくなりつつある。
(4)黒海では、ウクライナの無人艇がロシアからの制約を受けずに自由に動けている。ロシアは、この海では潜水艦を除いて行動できないために、無人艇の作戦を止められない。
(5)クリミアの防空網は破壊されていることから、ウクライナの無人艇から攻撃され、戦闘機の中継地点として使用することに制限を受けている。黒海はロシアにとって安全な海域ではなくなった。
前述の5つのことから、クリミア半島は、ロシア軍の作戦範囲から切り離されて、ますます孤立してきているように見える。
ウクライナはあらゆる情報収集手段を使って、ロシアの行動を観察してパターンを捉え、ロシアが最も痛手を受ける弱点に対して攻撃を行う。
今回の攻撃は、小さなドローンで大型の爆撃機を破壊したことと同じレベルのウクライナの頭脳戦と言ってよいだろう。



