中国向けは「苦戦」、中東への輸出許可で新たな活路

 地域別の動向では、地政学的な明暗が分かれた。

 コレット・クレスCFO(最高財務責任者)は、中国向け事業について「地政学的な要因で大規模な受注には至らなかった」と説明。

 輸出規制によって、中国市場向けに十分な競争力を持つ製品を展開できていない現状に対し、もどかしさを滲ませた。

 その一方で、新たな活路も開かれている。

 米商務省はこのほど、アラブ首長国連邦(UAE)とサウジアラビアの企業に対し、エヌビディア製の最先端AI半導体の販売を承認した。

 WSJによると、UAEの国営AI企業、G42やサウジのヒューメイン(Humain)に対し、サーバー製品などの輸出が可能になるという。

 これは、安全保障上の懸念から輸出を制限していた従来の方針からの転換である。AI開発競争への参画を急ぐ中東諸国へのアクセスが開かれたことは、同社にとって大きな追い風となる。