銃撃され亡くなった故チャーリー・カーク氏に民間人としては最高の栄誉となる「大統領自由勲章」を授与、妻のエリカ氏に手渡すトランプ大統領(10月14日ホワイトハウスで、写真:UPI/アフロ)
米国の英雄を侮辱することはまかりならぬ
米国務省は10月14日、保守系活動家のチャーリー・カーク氏が暗殺されたことに関して、SNS上でその死を祝福したり軽視するコメントをしたりしたと判断された6人の外国人のビザを取り消すと発表した。
米CNNによれば、この6人はビザ取り消しを受けた「ほんの一例に過ぎない」という。
この発表はカーク氏の没後、ドナルド・トランプ大統領が「大統領自由勲章(Presidential Medal of Freedom)」を授与した後に行われた。
参考:「米メディアが伝えるチャーリー・カーク銃撃犯の素顔と米国内の反応 共和党員の両親のもとで育った容疑者がなぜMAGAに矛先向けたのか」| JBpress (ジェイビープレス) (ismedia.jp)
(U.S. Says Foreigners’ Visas Revoked Over Online Comments About Kirk’s Death | TIME)
表現だけでなく、内容や意図も判断基準
国務省が「米国に対して死を願うような発言をする外国人を受け入れる義務はない」という立場を明示したものだ。
6人は、アルゼンチン、ブラジル、ドイツ、メキシコ、パラグアイ、南アフリカの国籍を持つ民間人。
国務省の発表では、これらのビザ取り消し対象者がどの種類のビザを所持していたか(学生、業務、観光など)、あるいは彼らが米国内に既に滞在していたかどうかなどの詳細は明らかにされていない。
英ロイター通信によると、今回のビザ取り消しは「チャーリー・カーク氏の死を『祝う・嘲笑する』投稿を行った外国人」への措置であり、発言の「内容と意図」が判断基準になっているという。
専門家によると、絵文字も判断基準として含まれる可能性大だという。
その理由は、司法・実務の場面でも絵文字が発言の意図・感情を示す証拠として扱われることが増えており、(裁判や民事・刑事の証拠で解釈の対象になっている)国務省当局が絵文字を無視するとは考えにくいからだ。
ただ、法的判断は文脈依存で、絵文字一つだけで自動的に処分されるわけではなく、投稿全体(本文、添付画像、ハッシュタグ、絵文字、投稿者の他の投稿、アカウント情報など)と照らして評価される点がポイントだという。
絵文字が「笑い顔」「拍手」「銃を模した絵文字」など、文脈上、「祝意」や「歓迎」を示すと解釈され得る場合、当局はそれを含めて不適切発言と判断する可能性がある。
ただし、判断はケースバイケース。
煽動的・暴力肯定的な文脈で使われれば影響が出る可能性があると、専門家は指摘している。
(U.S. Says Foreigners’ Visas Revoked Over Online Comments About Kirk’s Death | TIME)
同省の報道官は「どの言語で発信されたかは関係ない。暴力的死を称賛・賛美する投稿は、どの言語であっても審査対象となり得る」と説明している。
(U.S. says it revoked six visas over Charlie Kirk posts - The Washington Post)
(US threatens action against foreigners praising Kirk killing | Reuters)
国務省は、今回のようなビザ取り消しのほかにも、SNS投稿のチェックを強化したり、ビザ申請者にSNSアカウントの公開や投稿内容の審査を求めたりする「拡張審査・継続的審査(continuous vetting)」の方針を推進している、との報道もある。