バカンスに変わりつつある秋夕
かつて秋夕は、先祖に感謝し、家族が集まって供物を捧げる日だった。田舎の墓を掃除し、親戚一同が集って食卓を囲む。それが韓国人の年中行事の中心だった。
しかし今や、その文化は急激に変わった。若者でなくても法事より航空券を選び、祖先の墓ではなく空港の出発ロビーに集う。韓国人のSNSからは祭事の様子よりも、異国のホテルでワインを飲んでいる姿を多く見かけるようになった。
秋夕は“民族の名節”から、“ちょっとしたバカンス”へと変わってきている。
立花 志音(たちばなしおん)
1977年生まれ 東洋英和女学院大学短期大学部キリスト教思想科卒業後、損保勤務を経てソウルに留学。2005年韓国で出会いの夫と結婚。現在2男1女を育てながら日本人が見る韓国をライターとして韓国内で活動中。
