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(川上 敬太郎:ワークスタイル研究家)
「最低賃金1500円」実現に向けた機運の高まり
中央最低賃金審議会は、最低賃金の引き上げ目安を過去最大となる63円に設定しました。目安がそのまま各地域の改定額に反映されれば、最低賃金の全国平均は1118円です。また、国内すべての地域において最低賃金が1000円を超える水準に到達します。
表:共同通信社
すでに各都道府県で議論が進められ10月から発効予定ですが、最低賃金には法的強制力があるため、日本中の職場でさまざまな影響が生じることになります。
物価上昇により実質賃金がマイナスを続けている現状を踏まえれば、賃上げ機運の高まり自体は大いに歓迎されるべきことです。
表:共同通信社
石破茂首相は2020年代のうちに最低賃金1500円の実現を目指しており、今後も過去最大幅の引き上げが更新され続けていくことが見込まれます。現時点ではその効果が吉と出るか凶と出るかは分かりませんが、先んじて想定できる懸念はいくつもあります。
それら個々の懸念にあらかじめ対策を講じておけば、マイナスの影響が生じてしまったとしても広がりを最小限に抑えられるはずです。
では、想定される懸念とは具体的にどのようなものなのでしょうか。


