マンション広告やチラシの情報だけでは物件の実態はつかめない(写真AC)
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 建物名が「○○マンション銀座」なのに、実際に行ってみると銀座の繁華街からはかなり離れた東京都中央区湊にあった──なんてケースはよくあるだろう。今ではマンションにこうしたネーミングを付けることはできないが、業界の細かな規制が緩かった時代は横行していた。マンション名に関する疑問について、住宅ジャーナリストの山下和之氏が解説する。

マンション名に実態とそぐわない地名を付けるのはルール違反

 千葉県にある東京ディズニーランドや東京ドイツ村など、東京都ではないのに「東京」と冠したテーマパークがあるのは有名な話だろう。

 全国から観光客を呼ぶためには「東京」と付けた方が集客しやすく、ましてやインバウンド客を想定すると、千葉よりは東京のほうが断然アピール力が高まるはずだ。東京と名乗りたくなるのも納得できる。

 テーマパークやリゾート施設などであれば、名称と実態に多少のギャップがあっても、実害があるわけではないので、そんなネーミングもアリかもしれないが、マンション名ともなると、そうはいかない。実態にそぐわない地名などを付けることはルール違反だ。

 1960年代から各種の規制が行われ、その後、段階的に規制が厳しくなったことで、マンション購入希望者の目を惑わせかねないような名称は禁止されている。ある程度規制の内容をつかみ、きちんと規制を守っているかどうかを理解できるようにしておけば、物件やデベロッパーの良しあしを見極める判断材料のひとつにもなる。