Gerd AltmannによるPixabayからの画像
米グーグルのAI検索機能導入が報道機関をはじめとするウェブサイト運営者に衝撃を与える中、この地殻変動を新たな商機と捉え、急成長するスタートアップ群が登場している。
「ポスト検索時代」の到来を見据え、消費者が従来の検索エンジンではなく、AIチャットボット(対話型AI)で情報収集を行う未来に賭ける新興企業だ。
各社は、顧客企業がAIに“選ばれる”ための「AI最適化(AIO)」とでも呼ぶべき新市場を切り拓こうとしている。
AIに”発見”される技術を販売
米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、米新興のアテナ(Athena)やプロファウンド(Profound)など、少なくとも十数社が、新たなソフトウエア開発に数百万ドル規模の資金を投じている。
各社が行っているのは、顧客企業がAIチャットボットから自社商品を正しく評価され、ユーザーへの回答結果として推奨されるように導くためのツールの開発と販売だ。
これは、「検索エンジン最適化(SEO)」の次世代版にほかならない。
従来のSEOがグーグルの検索アルゴリズムを分析し、「10本の青いリンク」の上位表示を目指したのに対し、新興企業は米オープンAIや米パープレキシティといったAI企業が開発するAIモデルの“思考パターン”を解析する。
消費者の行動が、キーワード検索からAIとの対話へと移行する中で、企業は自社の情報がAIにどう扱われているか分からず、「完全に手探り状態」に陥っている。
新興企業のツールは、各AIモデルがどのウェブサイトや第三者レビューを参考にブランド情報を生成しているかを追跡・分析。
これにより企業は、AIが参照しやすいように自社のウェブコンテンツを最適化し、AI時代の顧客接点を探れるようになる。
アテナの共同創業者であるアンドリュー・ヤン氏は「企業が20年かけて最適化してきたグーグル検索への対応は変わりつつある」と、事業の狙いを語る。