5月19日にIPO(新規株式公開)を果たした米国のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)、リンクトイン(LinkedIn)の話題が米メディアをにぎわしている。

株価、上場初日で2倍に

米SNSリンクトイン上場、初日終値は94.25ドル

ニューヨーク証券取引所の取引開始ベルに拍手する、リンクトインの創始者リード・ホフマン(中央)氏〔AFPBB News

 リンクトイン株の公開価格は45ドルだったが、取引開始直後から買いが殺到し、一時122.77ドルと2.7倍まで上昇した。結局、終値は94.25ドルと、上場1日目にして2倍超に上昇。時価総額は89億1000万ドルとなった。

 SNSへの期待の高さを示す結果とも言えるが、1990年代終わりにあったネットバブルの再来と見る向きも多いと伝えられている。

 ただ、リンクトインは、サイト訪問者数や知名度だけで投資対象にされたネットバブル時代の企業とは異なる。

 同社はビジネスに特化したSNSで、現在会員数は1億人おり、2010年の売上高は前年比2倍の2億4300万ドル、純利益は1540万ドルとなっている。

 今年1~3月期の売上高も9400万ドルと1年前から倍増し、純利益は同14%増の210万ドルとなった。かつてのドットコム企業のように決して利益ゼロの企業でもなく、持続可能な収益モデルを確立していると言われている。

アナリスト、「収益性に疑問が残る」

 しかし米投資情報誌のバロンズは、「収益モデルを考慮したとしても、その評価は高すぎで、今後何らかの問題に直面すれば、株価は容易に半値になる」と手厳しい。

 リンクトインの時価総額は2010年の売上高の約35倍、純利益の約550倍という水準で、米グーグルのそれぞれ5倍、20倍と比べても行き過ぎだという。

 また同誌は、利益が売上高に比べて少ないとも指摘している。