米アマゾン・ドット・コムは、レジ精算不要のショッピングカート・システムを外販する計画だ。これまで直営のスーパーマーケットなどに導入してきたが、今後は同業の小売業者にサービスとして販売する事業も展開する。
自動精算カートを大規模展開へ
アマゾンの発表資料によると、同社はレジなし精算技術の展開戦略を見直す。コンビニエンスストアなどの小型店では、手に取った商品をレジを介すことなく、そのまま持って帰れるようにする「Just Walk Out(ジャスト・ウォーク・アウト)」を拡大する。
一方で、スーパーマーケットなどの大型店では、専用のショッピングカート「Dash Cart(ダッシュカート)」で精算を済ますシステムの展開を拡大する。
その一環として、Just Walk Outに続き、Dash Cartシステムの外販も始める。米CNBCによれば、米カンザス州や米ミズーリ州でスーパーマーケットチェーンを展開する2社、プライスチョッパー(Price Chopper)及びマッキーバース・マーケット(McKeever’s Market)の数店舗ではすでにDash Cartの試験運用を始めている。
アマゾンは20年に直営のスーパーマーケットチェーン「Amazon Fresh」にDash Cartを導入し、その後、傘下の高質スーパーマーケットチェーン「Whole Foods Market(ホールフーズ・マーケット)」の一部店舗にも展開した。
Dash Cartにはカメラやセンサー、コードリーダー、ディスプレーなどが組み込まれている。顧客は入店時、スマートフォンの専用アプリにQRコードを表示し、カートのリーダーに読み取らせる。
店内では、商品を店の棚から取って、商品バーコードをリーダーにかざして読み取らせる。後はカートにセットしておいたショッピングバッグに商品を入れる。果物のようなバーコードのない商品の場合、PLUコードをタッチスクリーンに入力する。PLUコードは商品棚に表示してあるのでそれを参照する。カートのディスプレーは、合計金額を逐次表示する。
買いたい物をすべて入れ終わったら、専用レーンを通ってカートを元の場所に戻す。するとクレジットカード情報が登録されたアマゾンアカウントで自動精算される。後はカートからショッピングバッグを取り出して店から出るだけ。レシートはスマホに送られる。