「東浦和」「北小金」のリセールバリューが下落したワケ
実際、それぞれの駅の近くには注目度の高い駅が多い。例えば、西武新宿線「本川越駅」は東武東上線・JR川越線「川越駅」や東武東上線「川越市駅」に隣接している。川越駅周辺の再開発が進み、各種の商業施設の集積が進み、大規模マンションの開発計画も増加した。
注目度が高まったのは川越駅周辺が中心なのに、少し離れた本川越駅も同じように強気の値付けをしてしまった結果、その上乗せ分が本来の相場に戻る形でリセールバリューが下がったものと見られる。
JR武蔵野線「東浦和駅」は、隣駅の「南浦和駅」にJR京浜東北線が停車し、京浜東北線で大宮方面に向かうと「浦和駅」もある。浦和駅は埼玉県の行政の中心地であり、文教地区としても知られ住宅地としての人気も高い。そのため、住宅価格の最も高い駅と言える。
東浦和はそのイメージに引っ張られて強気の値付けが行われた可能性が高い。駅の実力からすればさほど高いエリアではなかったのに、浦和という地名のイメージから高値が設定され、10年の間に、その実力以上に評価されていた部分の上積みが取れたということだろう。
また、JR常磐線の「北小金駅」は、松戸駅、柏駅のほぼ中間に位置する。人気が高い千葉県北部の中心エリアだが、複数路線が乗り入れる松戸駅、柏駅周辺に各種商業施設がそろっているのに対して、北小金駅はさほどでもない。高値で売り出されても、そのレッテルは剥がれてしまう。
このように、リセールバリューが下落した9駅については、大なり小なり同じようなことが当てはまる。