外免切替、2位は中国人、1位は…
警察庁の資料によると、外免切替で免許を取得した外国籍の人は2014年に2万9307人でした。その後は、在留資格「特定技能」認定者の拡大に加え、インバウンド政策や円安による外国人観光客の流入増に伴い、外免切替の利用者が急増。2018年には4万人台を超え、2023年には6万人台に。そして2024年には7万5905人と遂に7万人を超えたのです。この10年で2.5倍になった計算です。

これを押し上げているのは、中国人とベトナム人とされています。2024年の切替者を国籍別に見ると、1位はベトナムで1万5807人、2位は中国の1万1247人でした。
両国はジュネーブ条約に加盟していないため、自国の運転免許証を所持していても国際社会ではほとんど通用しません。ところが、これを日本の免許証に切り替えると、国際運転免許証(IDP: International Driving Permit)を取得でき、世界のほとんどの国で自由に車を運転できるというメリットを享受できるようになるわけです。
こうした情報がコロナ禍明けから中国のSNSや中国語のサイトで広がり、外免切替を希望する人が大都市圏の運転免許センターに殺到しました。とくにホテルが発行する一時滞在許可証も居住地確認に有効との情報が拡散されたことから、日本旅行のついでに免許を切り替える人が続出。手続きをサポートする業者や専門のツアーも現れ、大都市圏の手続き窓口では予約もなかなか取れない事態となりました。
外免切替による免許証の取得者は急増してきましたが、実は、大きな社会問題となってきたのは2024年夏ごろ以降のことに過ぎません。それまでは、日本の労働力不足を補うために外国人労働者の受け入れをいかに拡大するかという観点から、日本政府はむしろ、外免切替制度の円滑・柔軟な推進に力を入れていました。