江戸時代の美人の第一条件は?
江戸時代の化粧書『都風俗化粧伝(みやこふうぞくけわいでん)』(佐山半七丸著・速水暁斎画/日本図書センター『婦人文庫 3』所収)に、
「人生まれながらにして三十二相(仏に備わっている32種の優れた身体的特徴で、転じて、女性の容貌、姿形などの美しい相をいう)揃いたる美人というは至って少なきもの也。化粧の仕様、顔の作りようにて、よく美人となさしむべし。その中にも色の白きを第一とす。色のしろきは七難かくすと、諺にいえり」
とあるように、江戸時代の美人の第一条件は色が白いことであった。
目の化粧:大きすぎる目は見苦しかった?
最後に、意外な目の化粧をご紹介したい。
現代では、目はパッチリと大きいほうが良いとされる傾向にある。
ところが、江戸時代は違ったようである。
前述の『都風俗化粧伝』には、「あまり大き過ぎたるは見苦し」、すなわち、「大きすぎる目は見苦しい」とし、「瞼の白粉を濃く塗り、目の中へも粉が入るがごとくに化粧をする」など、目が大きいことをカバーする化粧法が記されている。
現代の美意識では、考えにくい化粧である。


